寒天の原料はテングサなどの海藻です。それを水につけたり乾かしたりを続けると、白くなります。白くなったテングサを煮出すと、寒天を取り出すことができます。
寒天は、長いくさり状の分子がたくさん集まった網目のような構造をしています。水で煮ると、網目がほどけてバラバラになります。冷えるとまたからまり始めます。このとき、からんだ網目の間に水が閉じこめられることで、ゼリー状に固まります。水が多く閉じこめられればやわらかく、水が少なければ硬く固まります。
この寒天の性質を生かして、物の型を取ることができます。このようにして固まった寒天は、ほとんど縮むこともなく、しかも他のものとはくっつきづらいので、簡単にはがすことができます。精密な型が取れるので、歯医者さんで歯型を作るときや、化石のレプリカを作るときなどにも使われています。